令和3年4月6日 東讃教区 特別研修会 「ウイズコロナ時代(ニューノーマル社会)における寺院のあり方と未来」

令和3年4月6日14時より「ウイズコロナ時代(ニューノーマル社会)における寺院のあり方と未来」をテーマに、野村證券(株)金融公共公益法人部の塚嵜智志氏を講師にお招きし、東讃教区特別研修会を開催いたしました。

当初予定では高松別院の本堂を会場としておりましたが、4月の県内新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、高松別院の本堂は使用せず、オンラインでの研修会開催となりました。

今回の研修会は、内閣府が令和2年6月に実施した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」をもとにして、「生活意識」、「生活行動」、「将来の意識・行動」という項目ごとのポイントと傾向を分析しつつ、そこから見えてくるものやその変化の中における宗教教団としての位置付けまたは役割が問題提起されました。

国内は人口減少社会に移行し、宗教観、宗教行動の変化が起きている現状の中、ウイズコロナ社会で起きている価値観の変化は、ニューノーマル(新常態)社会の到来が予見できます。それゆえに、従来型の宗教活動の形式を改める意識が不可欠となるとの分析です。

これからの宗教界(仏教界)は、寺院の機能・役割を見直し、従来の認識を積極的に検証し直さないと、宗教が宗教である意味を失う事になるとの指摘をいただきました。

具体的には、宗派・寺院などのホームページからのアプローチを強める方向、また、ダイバーシティ(多様性)といわれるように、100人いれば、100通りの伝え方が必要となる時代になってきているという認識に基づいた施策が必要であるという事でした。

そして、それは単に形式という方法論の話ではなく、人間が生きる上で宗教が持つ働き、本質的なものとは何かの提言でもありました。特に、通夜、葬儀での「場の共有」において、「法話」の持つ力は大きいが、その「場の共有」を活かしきれていない実態があるのではないかとの指摘が耳に残りました。

宗教教団として、宗教者として、人々の「苦」を理解し寄り添う事は、どのような時代においても同じであります。今後の寺院、僧侶のあり方が厳しく問われる有意義な研修会となりました。