荘厳・作法
仏壇
仏壇は、私たちが日常的に手を合わすことのできる拠り所となる場所です。嬉しい時も悲しい時も、阿弥陀さんは、「ありのままのあなたで大丈夫」と私たちを照らし、寄り添ってくれます。毎日、阿弥陀さんに手を合わせ、自らを振り返りましょう。
名号
ご本尊は、阿弥陀如来のお名号・ご絵像・ご木像のいずれかを安置します。ご本尊の向かって右側に「帰命尽十方無碍光如来」の十字名号(または親鸞聖人のご絵像)。左側は「南無不可思議光如来」の九字名号(または本寂上人のご絵像)をおかけします。
ご本尊は信仰の対象ですから、新しくお迎えする時は本山よりいただくようにしましょう。
過去帳・位牌
亡くなった方の法名・俗名・命日などを記す記録帖です。位牌は中国の儒教で用いられていたもので、霊の宿る場所と考えられています。しかし、亡くなった方は既にお浄土に生まれ、仏になっているため、位牌は真宗の考え方にふさわしくありません。新しく購入される方は、過去帳をお買い求めください。過去帳は後々の世代へ伝わっていきます。各家庭の系譜を未来の世代のために残しておきましょう。
法名
法名とは、仏教の教えをもとに生きる人の名前です。法名は亡くなってからもらうものと考えられる方も多いと思いますが、本来は生前に帰敬式を行い、法名をいただきます。新たに名前をいただくことで、自分自身を見つめ直す機会になると思います。法名とともに気持ちも新たにし、仏道を歩んでいきましょう。
帰敬式
帰敬式はおかみそりともいわれ、髪に剃刀を当て、法名をいただく儀式です。本山興正寺において、ご門主(興正寺住職)から受けることができます。葬式の時に導師がおかみそりを行うのは、生前に帰敬式を受けなかったからです。
高松興正寺別院でも、ご門主が来られる1月の報恩講の際に帰敬式を受けることができます。各お寺の住職にお問い合わせください。
入仏法要・遷仏法要
「入仏法要」は、新しく仏壇にご本尊を迎え、家に拠り所ができたことを慶ぶ法要です。引っ越しなどでご本尊を移動する際の法要を「遷仏法要」といいます。家や仏壇の歴史を振り返り、自らの歩みを確かめる機会にしてください。
一般に「魂入れ」や「お性根ぬき」などといわれますが、魂が出たり入ったりする訳ではありません。
花
色や形の違うお花は、その姿のままにオンリーワンのいのちの輝きを表しています。
トゲや毒のあるお花は避けて、季節の花をお供えください。
ろうそく
ろうそくの光は阿弥陀さんから放たれる光を意味しており、その光には際限なくすべての人を照らしてくれるはたらきがあります。光に照らされて輝く私たちいのちを見つめ直しましょう。
平常時は「白」、ご法事の際は「朱」のろうそくをご用意ください。
お香
阿弥陀さんのいるお浄土は芳香に満ちているとされています。清らな香りに包まれて、私たちの心を落ち着かせてくれます。
線香は折って寝かせるようにお供えください。
お焼香
仏前を荘厳するとともに、私たちの煩悩に満ちた身心を清らかにする意味も含まれています。
お焼香の作法
- 一礼
- 焼香(おしいただかず右手で2回)
- 合掌・礼拝
- 一礼
お仏飯・お供え物
お仏飯やお供え物は仏さんが食べるから供えるのではありません。私たちが生きるために「いのちの恵」をいただいていることを阿弥陀さんが教えてくれます。「いただきます」「ごちそうさまでした」と言い、感謝の気持ちでいただきましょう。
金封
水引
慶事 | 金色 | 表書き「御祝」 |
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弔事 | 銀色 | 表書き「御佛前」「御香儀」「御香典」 |
その他法要 | 黄色・赤色 | 表書き「御佛前」「御香儀」「御布施」「御礼」 |
念珠
本来念珠は百八つの玉からできており、これは煩悩の数をあらわしています。
念珠を掌ですりあわせる宗旨もありますが、それは煩悩をすりけずるという意味からきています。真宗では合掌した手に念珠をかけるだけです。真宗では煩悩をけずるのではなく、煩悩そのまま本願に出遇うご縁となるのです。
色や形を問わず、ご自身の好むものをご購入されるといいでしょう。
お墓
阿弥陀さまの本願のはたらきによって、お念仏をよろこぶ者はお浄土に生まれます。お浄土に生まれられた故人の遺徳を偲び、建立されるのがお墓です。お墓を新しく建てられる方は、正面には「南無阿弥陀仏」と刻み、墓相に惑わされないようにしましょう。納骨や分骨、お墓を建立する場合は、お寺の住職に相談されることをお薦めします。また、お墓を建立した時は「建碑式」という法要をお勤めします。