令和元年9月26日 教学研修会

令和元年9月26日18時より、高松興正寺別院本堂2階にて教学研修会が開催されました。ご講師として龍谷大学教授玉木興慈先生をお招きし、第8回目として『歎異抄』第三条についてご講義を頂きました。

この第三条に「悪人正機」という言葉は出てきませんが、一般的に「悪人正機」を示すものとして有名です。元々、お聖教には「悪人正機」という言葉はありませんが、覚如上人の『口伝鈔』第十九条にある善人傍機のその対句として「悪人正機」が使われています。

「悪人正機」という言葉は、阿弥陀仏の側から語られる言葉と私達人間の側から語られる言葉に分けられます。
阿弥陀仏の側から語ると、凡夫も悪人も放っておけないから、誓願し、本願を建てられた。凡夫も悪人も救いたいという阿弥陀仏のお心の言葉が「悪人正機」であるとの事です。

一方、人間の側から語ると、「悪人正機」であるのであれば悪いことをしても構わないという人間の理屈が出てきて、「造悪無碍」や本願にあまえてつけあがるという「本願ぼこり」という問題が出てきます。

人間の側から語られる「悪人が救われる」という言い方は、どこか歪んでいる気がしてならないと先生はお話下さいました。阿弥陀仏のお心を人間の言葉で伝える事は気をつけなければならないことだと締めくくられました。


次回は12月12日(木)の18時からです。
どうぞお誘い合わせの上、ご聴聞ください