令和4年 高松興正寺別院 夏まいり

7月11日(月)午前10時より、高松興正寺別院の夏まいりが勤修されました。

4月に開催された「春の法要」以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行が少し落ち着きつつあったことから、今回の法要では参拝人数等の制限はなしとし、例年通り、朝座のみの法要を勤修しました。

今年は梅雨明けが早く、6月下旬から猛暑日が観測されるなど、全国的に厳しい暑さとなっています。
この日もかんかん照りではなかったものの、気温と湿度がかなり高くなり、蒸し暑い一日となりました。

とても暑い中でしたが、この日は30名ほどの方が参拝してくださいました。
赤ちゃんを連れたお母さんも参拝してくださり、可愛い赤ちゃんの姿にとてもほっこりしました。

午前10時より、『正信偈』(中拍子)をお参りさんと声を合わせてお勤めしました。
この日は9名の内陣出勤があり、副輪番の松尾修淨氏が導師を務めました。
堂内では勤行本の貸し出しも行われ、文字を追いながら熱心にお勤めをされている姿がありました。

お勤めの後は、柴田輪番の挨拶があり、その後、10分ほど休憩に入りました。
休憩時間には別院から冷たいお茶とお菓子の接待がありました。

休憩の後は、本山布教使 まんのう町 長光寺 林 和英先生による法話がありました。

林先生は、『正信偈』にも使われている「智慧の光明はかりなし 有量の諸相ことごとく 光暁かむらぬものはなし 真実明に帰命せよ」というご和讃を讃題に掲げられ、私たちが明るく幸せに暮らせるヒントについてお話してくださいました。

私たちはある程度大人になりますと、「自分は一人で生きている」「誰の助けもいらない」と、視野を狭めて孤立しがちになります。

しかし、事実は誰かのいのちに支えられて私たちは生かされているのです。そして、誰の助けも借りずに生きていける人などいないのです。

この事実に気づくためには、「自分の限界を知ることが大切です」と、先生は仰います。

そして、「自分の限界をはっきり知らされることで、自然と『ありがとう』が生まれてくるのです。その結果、私たちは今を朗らかに、明るく生きられるのです」と、教えてくださいました。

つまりは、自分の限界を知ることにおいて、ものの見方がガラッと変わるということです。

また、先生は黒板に「ガンバル」「お願いします」「お任せします」「ありがとう」の4つの言葉を書かれ、「『ガンバル』『お願いします』『お任せします』の3つは、前に『私が』が入ります。つまりは自力の世界です。ところが、最後の『ありがとう』だけには、『私が』が入りません。つまり、他力の世界は『ありがとう』なのです」と教えてくださいました。

その他力の世界へと私たちを導いてくださる真実の言葉が、「南無阿弥陀仏」のお念仏でありましょう。

先生は最後に、東井義雄先生の『おかげさまのどまんなか』という本の言葉を紹介され、東井先生のお念仏に対する受け止めをみんなで共有されました。

日々の生活において、少しでもたくさんの「ありがとう」を口に出せるかどうか。
それが真宗興正派の教化テーマである「今こそお念仏-つなごうふれあいの輪」につながっていくのでありましょう。

法話の後は、全員で『恩徳讃』を唱和して法要を終えました。
帰りに別院からのお土産として、お参りさんにパンとお茶が配られました。

法要の準備から片付けまで、式務部から1人、教化参拝部から7人のご協力を賜りました。
この他、たくさんの方々のご協力を賜り、無事に夏まいりを勤めることができました。
この法要に携わったすべての方に対して、厚く御礼を申し上げます。