平成30年 高松興正寺別院 報恩講

1月24日(水)昼座~26日(金)朝座まで、高松興正寺別院の報恩講が厳修されました。
法要期間中は全国的な寒波の影響で気温がぐっと下がり、時折、雪花が散っていました。
そのような寒さの中、3日間で延べ180人近くの参拝があり、秀円寺様、光清寺様、長覚寺様、第3南組様、正信寺様、正音寺様が団体参拝されました。

ご門主様ご親修のもと、24日昼座は『正信偈』(中拍子)、25日朝座は『無量寿経』、昼座は『正信偈』(墨譜)、26日朝座は『観無量寿経』を正宗分にしたお勤めが行われました。
各組から代表出勤を賜り、自由出勤と合せて、各座15名以上の内陣出勤がありました。

法話は本山布教使 西讃教区 第7南組 善性寺衆徒の千葉憲文先生をお招きし、今回の法要テーマである「念仏者は無碍の一道なり」ということについてのお話を頂戴しました。

先生は、「将来があると思うことで今の生き方が変わります。お浄土があるのか、ないのかの証明はできませんが、お浄土の教えを感じる中に今の生き方が変わってくることは必ずあります」ということを教えてくださいました。

また、私たちは誰もが「自分の思いを叶えたい」と思って生きていますが、先生は「何でも思い通りになる世界は恐ろしい世界です」と指摘されます。その理由として、『無量寿経』の中から「自害害彼」という言葉を紹介され、元政治家の秘書への暴言や、カヌーのオリンピック候補選手の失格事件などにも触れながら、「自分の欲望を押し通せば、必ず人とトラブルになります。そして、その結果として相手を傷つけ、自分自身も傷ついていくのです」と教えてくださいました。

殊に、私たち現代人は「今だけ、お金だけ、自分だけ」と考えて生きています。果たして、それで幸せと言えるのでしょうか。このような現代社会だからこそ、「今こそお念仏」が大切になってくるのではないでしょうか。ともにお念仏を申していく中で、「おかげ様の私に出遇っていく」ことの大切さを、先生は分かりやすく教えてくださいました。

私たちはすでに計り知れないほどのお育てとご恩をいただいています。そのことに気づかせていただくことが大切であり、お念仏のみが「人生の碍りを乗り超えていける、ただ一つの道」なのでありましょう。

この他、25日朝座勤行後には帰敬式があり、今回は2人が受式されました。
帰敬式とは、仏・法・僧の三宝に帰依し、仏弟子としての名前「法名」をご門主様から頂戴する大切な儀式です。
一般に、法名は死んだときにいただくものと思われがちですが、真宗門徒として仏道を歩み出したとき、すなわち「今」からいただくことができるのです。
京都の本山興正寺では、春の法要(4月)と報恩講(11月)のときに帰敬式を行っておりますし、高松興正寺別院でも、毎年、報恩講では帰敬式を行っております。

また、25日のお昼前には、西光寺保育所から可愛らしい園児が参拝に来られ、仏さまのお歌や手遊びを披露してくれました。
可愛らしい園児の余興に、お参りさんは終始、顔がほころんでいました。

25日と26日のお昼は、おとき接待があり、長安寺・養福寺・秀円寺・法専寺・正信寺・重蓮寺の仏教婦人会の皆様が、そば・うどんを振る舞ってくださいました。また、法要前には、別院から甘酒も振る舞われました。酒粕は中屋味噌さんのご厚意によるものです。

坊守会からは、会長の佐々木敬子氏、副会長の赤澤 望氏、三好禎子氏、役員の谷上由美子氏、安本由香里氏をはじめ、第3北組から2人、第3南組から2人、第4組から2人の坊守さんが、3日間、ご門主のお接待やおときの手伝いをしてくださいました。

今回の法要では、会行事 松尾修淨氏、副会行事 楠 哲慧氏をはじめ、維那、維那補、知堂、教化参拝、総勢27名が役職に就かれ、法要の準備から片付けまでご協力を賜りました。

この他、仏教婦人会の皆様、坊守会の皆様、お供物を準備してくださった皆様など、たくさんの方々のご協力を賜りまして、無事に高松興正寺別院 報恩講を勤めることができました。

この法要に携わったすべての方に対して、厚く御礼を申し上げます。