平成28年 高松興正寺別院 秋季永代経法要ならびに本山大相続講

9月27日(火)高松興正寺別院の秋季永代経法要ならびに本山大相続講が勤められました。この日は気温が30度を超える汗ばむ陽気となりましたが、80人近くの方がお参りくださいました。

午前10時から秋季永代経法要が勤められ、『阿弥陀経』を正宗分にしたお勤めが行われました。各組から代表出勤を賜り、綾南組 法専寺住職の小松正秦氏が法中登壇を行いました。代表出勤と自由出勤を合わせて、16名の内陣出勤がありました。

法話は本山布教使 松島町 覚善寺衆徒 林 和英先生にお願いしました。先生は黒板に「彼岸と此岸」の図を書かれ、お浄土から私たちの迷いの世界にはたらきかけてくださるお念仏の尊さについてお話くださいました。また、私たちの聞き方の問題やお念仏は私の行ではなく、阿弥陀さまの大行であることを教えてくださいました。お話の合間には日常会話の一コマなど、身近な人間関係の例え話もあり、とても共感しやすいお話を頂戴しました。

おときは、長覚寺、長安寺、法専寺の仏教婦人会の皆さまが、うどんとバラ寿司を振る舞ってくださいました。また、坊守会から佐々木敬子会長、赤澤副会長をはじめ、第4組の坊守さんがお手伝いに来てくださいました。
心のこもったおときに、お参りさんも法中も大変満足した様子でした。

おときの後、本堂係が教化参拝から相続講委員へと引き継がれ、本山大相続講が開講しました。午後1時、法中とお参りさん全員で声を合わせて『讃仏偈』をお勤めしました。お勤め後、相続講委員長の谷上和順氏から挨拶があり、早速、一人目の法話に入ります。

本山大相続講とは、文政11年(1828)4月6日に興正寺第27世 本寂上人が「親鸞聖人のお念仏の教えを相続し、繁昌させてほしい」という願いを込めて、讃岐の地にご消息を下されたのがはじまりです。
「相続」という言葉には、「お念仏の教えを聴聞するための道場(本山)を護持してほしい」ことと、「お念仏の教えをよく聴聞し、それを次の世代に正しく伝えてほしい」という願いが込められているそうです。

そのため、ほとんどの時間が法話に充てられ、法話は一人20分の持ち時間で、複数の布教使が続けて行う形態になっています。僧侶にとっては布教使の育成の場となり、お参りさんにとっては一度に複数の先生のお話が聞ける、大変有り難い法座です。

現在は、各組の寺院を会所とした相続講と高松興正寺別院を会所とした相続講の年2回行われています。

この日の法話講師は以下の3名です。
安藤 弘浄 師(円徳寺住職)
宮本 大悟 師(円福寺住職)
藤原 友則 師(浄正寺衆徒)
講師の選出は、各組に振り当てられており、今回は第3北組、第3南組、第4組から選出されました。

法話の後は、高松興正寺別院 輪番 葛西一浄氏によるご消息披露がありました。
ご消息披露とは、本寂上人が下されたご消息の原文を皆さんの前で読み上げるものです。

ご消息披露の後は、本山布教使 由良町 慈照寺住職 秋山和信先生による復演がありました。復演とは、ご消息の心を皆さんに分かりやすくお伝えするための法話です。秋山先生は『正信偈』の冒頭から、お念仏の歴史について分かりやすくお話くださいました。また、後半は昔から伝わるお念仏の詩に節を付けて歌われ、とても心に響くお話を頂戴しました。

復演の後は葛西輪番から挨拶があり、法中とお参りさん全員で『恩徳讃』を唱和して、午後3時15分、閉講となりました。

朝から長時間にわたる法要でしたが、ほとんどの方が最初から最後までご聴聞されていました。なかには、頭を垂れて静かに聴聞されている姿や、メモを取りながら熱心に聴聞されている姿も見られました。

知堂7人、教化参拝7人の役職者には、前日の法要準備から午前中の秋季永代経法要までご協力いただきました。
相続講委員8人の役職者には、午後の本山大相続講から法要の片付けまでご協力いただきました。
この他、おときの接待をしてくださった仏教婦人会の皆さま、坊守会の皆さまなど、たくさんの方々のご協力を賜りまして、無事に秋季永代経法要ならびに本山大相続講を勤めることができました。
この法要に携わったすべての方に対して、厚く御礼を申し上げます。