平成28年 本山大相続講 会所:香川組 専光寺

5月17日(火)午前10時~午後3時まで、香川組の御厩町 専光寺において、本山大相続講が勤められました。

本山大相続講とは、文政11年(1828)4月6日に興正寺第27世 本寂上人が「親鸞聖人のお念仏の教えを相続し、繁昌させてほしい」という願いを込めて、讃岐の地にご消息を下されたのがはじまりです。

この「相続」という言葉には、お念仏の教えを聴聞するための道場(本山)を護持してほしいことと、私たちがお念仏の教えをよく聴聞し、それを次の世代に正しく伝えてほしいという願いが込められております。

時代とともに法座の形態は変わってきましたが、現在は春に東讃教区各組を会所として勤められ、秋には高松興正寺別院において勤められております。
法話は一人20分程度の持ち時間で、複数の布教使が行います。
そのため、僧侶にとっては、布教使の育成の場にもなっています。
また、お参りさんにとっては、一度にたくさんの布教使のお話が聞ける、大変有り難い法座となっています。

前日の午後は激しい大雨に見舞われ、準備に難儀しましたが、この日は打って変わって素晴らしい晴天となりました。

午前10時に、僧侶とお参りさんで一緒に声を合せて、『讃仏偈』をお勤めし、開講となりました。
その後、相続講委員長である香川組 興願寺住職の地下弘生氏から挨拶があった後、早速、法話に入りました。

この日の法話講師は以下の通りです。

<午前>
大熊 慎司 師(善立寺衆徒)
中原 吉祥 師(延寿寺衆徒)
藤原 友則 師(浄正寺衆徒)
綾 浄慎 師(正蓮寺衆徒)

<午後>
川田 圓海 師(妙楽寺住職)
秋山 和信 師(慈照寺住職)

おときは専光寺の坊守さんや婦人会の皆様によって、うどんやバラ寿司が振る舞われました。
うどんは境内にて朝から男性衆が一生懸命打ってくださったもので、手作りのぬくもりを感じました。
また、旬のそら豆も味わうことができました。
僧侶もお参りさんも同じ部屋でいただき、とても楽しい雰囲気のおときとなりました。

午後の法話の後は、専光寺住職 佐々木安徳氏によるご消息披露がありました。
ご消息披露とは、本寂上人が下されたご消息を皆さんの前で読み上げるものです。

ご消息披露の後は、本山布教使 大信寺住職 川田信五 師による復演がありました。
復演とは、ご消息の言葉が現代の人には少し分かりにくいため、ご消息のお心を分かりやすく伝えるためのお話であります。

川田先生からは、「世界には色んな宗教がある中、仏教だけが自分の心を省みることができ、仏教だけが争いのない宗教です。
そして、今のお年寄りはこれからどんどん生活がよくなっていく喜びを経験したということで、とてもいい時代に生まれたのです。
それなのに、お年寄りが『つまらん、つまらん』と言っていると、今の若い人たちはまったく希望が持てません。
皆さんは元気よく、朗らかに笑って、「年老いてもいい人生だぞ」というのを若い人に見せて下さい」という旨のお話がありました。

最後は僧侶とお参りさん全員で『恩徳讃』を唱和して、閉講となりました。

この相続講のために場所を提供してくださり、当日もお手伝いをいただいた専光寺の皆様をはじめ、
準備を担当された香川組の皆様、当日のお手伝いと片づけまで担当された相続講委員の皆様など、たくさんの方々のご協力を賜りまして、無事に本山大相続講を勤めることができました。
この法座に携わったすべての方に対して、厚く御礼を申し上げます。