令和5年 本山大相続講 会所:第二組 常満寺
5月14日(日)午後1時半~3時半まで、第二組の三木町平木 常満寺において、本山大相続講が勤められました。
本山大相続講とは、文政11年(1828)4月6日に興正寺第27世 本寂上人が「親鸞聖人のお念仏の教えを相続し、繁昌させてほしい」という願いを込めて、讃岐の地にご消息を下されたのがはじまりです。
この「相続」という言葉には、お念仏の教えを聴聞するための道場(本山)を護持してほしいことと、私たちがお念仏の教えをよく聴聞し、それを次の世代に正しく伝えてほしいという願いが込められております。
時代とともに法座の形態は変わってきましたが、現在は春に東讃教区各組を会所として勤められ、秋には高松興正寺別院において勤められております。
法話は一人15分程度の持ち時間で、複数の布教使が行います。
そのため、僧侶にとっては、布教使の育成の場にもなっています。
また、お参りさんにとっては、一度にたくさんの布教使のお話が聞ける、大変有り難い法座となっています。
当初、第二組を会所とした相続講は、令和2年に当たる予定でしたが、新型コロナウイルスの影響により延期された経緯があります。
その新型コロナウイルスも5月8日より、5類感染症に移行されたこともあり、今回、4年ぶりに春の相続講が開催される運びとなりました。
この日は午前中に常満寺の前坊守追悼法要と夏まいりが勤められ、午後から本山大相続講が開催されました。少し風が強い一日でしたが、午前に引き続いて、たくさんの方がお参りしてくださいました。
午後1時半に、僧侶とお参りさんで一緒に声を合せて、『讃仏偈』をお勤めし、開講となりました。
その後、相続講委員長である常満寺副住職の黒田弘宣氏から挨拶があった後、早速、法話に入りました。
この日の法話講師は以下の3名です。
楠 應知 師(西徳寺衆徒)
福家 秀徳 師(長楽寺住職)
川田 信五 師(大信寺住職)
法話の後は、常満寺副住職 黒田弘宣氏によるご消息披露がありました。
ご消息披露とは、本寂上人が下されたご消息を原文のまま皆さんの前で読み上げるものです。
昔の言葉が使われているため、少し読み辛い箇所もありますが、一生懸命、拝読されていました。
ご消息披露の後は、本山布教使 専光寺住職 佐々木安徳 師による復演がありました。
復演とは、ご消息のお心を分かりやすく伝えるための法話です。
佐々木先生は、「何のために生まれて、なぜ死んでいくのか」という、人生の問いを立てられ、この問題を考えることが仏教の肝要だと教えてくださいました。
また、私たちの存在を「極重の悪人」と押さえた上で、「悪人とは弱者です。悪人にできることは、ただ仏の名を称えることです。すなわち、善き語を口にしましょう」と教えてくださいました。
善き語は、私を励まし、導き、支えてくださいます。
最後に、「大切な人をどんなふうに見送り、自分がどんなふうに見送られたいか」という問いを立てられ、親鸞聖人で言えば、「浄土にてかならずかならずまちまいらせそうろうべし」(『末灯鈔』)という言葉を残されており、浄土にて私を待つ存在に気づいていくことの大切さを教えてくださいました。
最後に、相続講副委員長の林 浩明氏(清光寺住職)より挨拶があり、全員で『恩徳讃』を唱和して閉講となりました。
この相続講のために場所を提供してくださり、当日もお手伝いをいただいた常満寺の皆様をはじめ、準備と片付けを担当された第二組の皆様、当日のお手伝いを担当された相続講委員の皆様など、たくさんの方のご協力を賜りまして、無事に本山大相続講を勤めることができました。
この法座に携わったすべての方に対して、厚く御礼を申し上げます。