令和4年5月20日 第17回歎異抄講義

令和四年五月二十日、玉木興慈先生(龍谷大学教授)をお招きして教学研修会が開催されました。この度はコロナ蔓延防止のため、オンラインでの開催となりました。

今回、玉木先生がお話しくださったのは、『歎異抄』第八条。「はからいによる非行非善と他力念仏について学ぶ」というテーマでお話しくださいました。

講義の前半は、親鸞聖人の御文を中心にお伺いしながら、南無阿弥陀仏の名号には、私が往生するためのすべての善本・徳本が円かに備わっているのだ、念仏は私の行ではなく、如来様の行なのだということをお聞かせいただきました。後半は、『行文類』の六字釈をお伺いし、親鸞聖人は南無阿弥陀仏の六字を阿弥陀様から私たちへの喚び声であり、衆生がそのお喚び声をそのままお聞かせいただいているすがたであると受け止められていることをお聞かせいただきました。そして講義の最後に、お念仏は如来様の行、大行であり、そこに自らのはからいが入ると行でも善でもなくなるのだとまとめてくださいました。第八条には、御文自体は短いですが、他力の念仏とは何かということについての本質が述べられており、大変勉強になりました。

約一時間半という限られた時間の中で要点をおさえてお話し下さいました玉木先生、お忙しい中ご聴講くださいました皆様に感謝申し上げます。これからもコロナと向き合う日々が続きますが、オンラインを利用するなど工夫しながら研鑽を積んでいけたらと思います。

(千葉政幹 記)(通信員 今井憲昭)