平成31年3月12日 東讃教区 教学研修会
平成30年度 東讃教区主催 連続教学研修会
平成31年3月12日(火)14時より、高松興正寺別院の本堂2階にて教学研修会が開催されました。
ご講師は龍谷大学教授玉木興慈先生です。玉木先生には、一昨年9月より歎異抄についてご講義を頂いております。歎異抄は著者とされる唯円が親鸞聖人御往生の後に生じた異説を悲歎され、聖人の正意を伝えようとしたものです。前半の十条は親鸞聖人の言葉を集めた師訓篇、後半の八条は異議篇もしくは歎異篇とも呼ばれ様々な誤った考えを挙げて唯円の歎異を述べた異議批判が著されています。
今回はその歎異抄講義の7回目になりますが、先月ご講義頂きました第二条に引き続き、第三条の悪人正機についてご用意して下さいましたレジュメを参照にお話し下さいました。歎異抄第三条を除く第一条から第九条までの末尾は「云々」と結ばれていますが、この第三条は「仰せ候ひき」と終わって他と異なっております。「云々」は引用した文や語句のあとを省略する時に使われます。しかし、第三条にはこの語はありません。このことから「善人なほもつて往生をとぐ、いはんや悪人をや」は、法然上人が仰ったお言葉と親鸞聖人が仰ったのだと著者である唯円が聞いたからこのように「仰せ候ひき」で終わったとされております。
また、悪人正機を示すものとして歎異抄は有名ですが、お聖教には悪人正機という語は使われておりません。覚如上人の口伝鈔第十九条にある善人傍機のその対句として、悪人正機という言葉があるとのことです。
ご講義の合間、玉木先生は実際にあった様々な人の悩みや問題、例え話などを交えながら親鸞聖人の御教えをご講義して下さいました。