聞法のつどい

宗報記事

令和八年二月八日の十三時より、高松興正寺別院において、「聞法のつどい」が開催されました。

ご講師は、料理研究家の土井善晴先生でした。土井先生の父親の土井勝氏が香川県高松市の出身で、高松市とのご縁もある方です。今回は、「一汁一菜はお念仏」というタイトルでの講演をお願いしました。

高松興正寺別院本堂一階に準備していた二百席は、事前受付開始後早々に満席となり、それ以外にも百名ほどの方がYouTubeでのオンライン視聴を申し込まれていました。

この日は日本列島が寒波に見舞われ、高松でも冷たい強風が吹くとても寒い日だったため、皆さんがお越しくださるのか心配でしたが、開場時間よりも前から多くの方が集まってくださり、本堂前には行列ができ、開場後はすぐに満堂となりました。

大盛況の中、開催された本講演ですが、まず初めに讃仏偈をお勤めしました。今回は、お寺になじみのない方もお参りしてくださっており、そういう方も配布した紙に印刷された讃仏偈を目で追いながら、一生懸命お勤めしてくださいました。

次に辻仁龍教務所長より挨拶があり、その後土井先生の講演が始まりました。

先生は開口一番「今回は何の話をするか準備してきていません。これを話そうと決めてかかると、そのことばかりに捉われてしまい、だいたい失敗してしまうからです」と仰いました。 講演は、皆さんの反応をみながら、季節の料理や家庭料理の話、本来は味付けをしないありのままが一番おいしいという話、民藝の話をしていたかと思えばいつのまにか阿弥陀如来の願いの話になっていたり、料理の好き嫌いの話から分別心の話になったりと、料理
の話と仏教的な話が境目なく交差する、大変不思議で面白い内容でした。楽しい雰囲気の中で、時に真面目な話もしてくださり、あっという間に終了時間が来てしまいました。

講演後には書籍を購入された方へのサイン会が開催され、飛行機の時間が迫る中、先生は一人一人にこやかに丁寧に対応してくださいました。 また、この日は土井先生の誕生日でもあり、川田慈恵教学参事の挨拶の際には皆さんと一緒に拍手でお祝いさせていただきました。

個人的な話になりますが、今回は私の義理の母も聴聞に来ており、「お寺でお話を聞くのは初めての経験だったが、とても楽しかった。こういう機会があれば講師の方が有名人でなくてもぜひまた声をかけてほしい」と言ってくれ、今回の「聞法のつどい」を開催した意義があったのかなと思いました。

講演後には、滅多に雪の降らない高松市内にも雪が積もっており、高松興正寺別院の雪景色を見ることができ、お参りに来られた皆さんにとって、大変思い出深い一日となったのではないでしょうか。

(尾形秀明 記)



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