平成29年2月8日 寺院運営研修会

2月8日、高松興正寺別院において、教化推進協議会の寺院運営部門の主催により研修会が行われました。今回は行信教校講師の本願寺派天岸浄圓先生を講師にお招きして「儀礼の意義」を講題にして御講義いただきました。
最初に、天岸先生は行信教校で伝道学を教えられている見地から真宗教学の現状についてお話を始められました。
その話では私たちの真宗の教義が「山の頂上」になってしまっている。真宗の特色である「本願他力、念仏ひとつ、信心のみ」といった教義が「山の頂上」であり、それは尊いことなんだけれどもその教えに触れる人たちは「山のすそ野」に在る。しかし、そこから「頂上」に登っていく道程が語られず「山の頂上」をのみ示す「逆三角形」に教義の展開がされている。「山のすそ野」から「頂上」に登る登り口の話が説かれていないのが現状の真宗教学であるとお話されました。
そして、登り方の道程を示すものとして肝要なのが葬儀、年忌法要、月忌参り、七日参りといった「真宗の儀礼」である。その「真宗の儀礼」を執り行う僧侶には柔軟(にゅうなん)な感性が求められているのだと厳しく語られました。
天岸先生は温和な表情とは裏腹に優しい語り口のなかでも時には声を荒らげ、顔を紅潮させながら3時間の講義を行われました。これまで研修会に参加されていなかった法中方も多く参集し白熱した雰囲気の中、当日は底冷えのする天候にもかかわらず、普段はあまり拝見することのない教区法中も参加くださり、研修会を終えることになりました。