2025年9月
こころの言葉
自分の中にあるものに目を向ける
この言葉は私のご門徒さんが教えてくださった言葉です。
そのご門徒さんは、50代半ばでご主人を亡くされました。ご主人は会社でも人望が厚く、亡くなられてから3年経った今でも、同僚の方がご門徒さんのご自宅にお参りに来られるのだそうです。
その時に「若いのにご不幸されましたね」とねぎらいの言葉をいろんな方がかけてくださったそうです。しかし、その言葉を何度も聞くうちに、「夫を亡くしてしまった私って不幸なのだらうか」と思い悩むようになったのだそうです。
それがきっかけで仏教のおはなし、いわゆるお説教を様々なお寺に聞きにいくようになったのだそうです。その中で出会った言葉が「自分の中にあるものに目を向ける」という言葉でした。
夫という大切な存在を亡くしたけれど、今自分の中にあるものに目を向けてみた時に、子どもに恵まれていること、健康に日々生活できていること、仕事も無事に再開できていること、そんな自分の中にあるしあわせに気づいたことで、少し気持ちが楽になったとおっしゃられてました。
大切な人との別れというのは、人生の中で1番の悲しみであるという方もいます。大切な方を亡くされ、深く思い悩んだ時には、1度自分の中にあるものに目を向けてみてください。